余所のことのような話し


昨日うっかり休みになってしまったので読んでた文章で、すごく涙が出て止まらなくなった文章がある。気持ちが薄れないうちに書き留めたい。


あるネイティブアメリカンの老女の言葉。
彼女は現在人気の観光地であるモニュメント・バレーに住んでいる。昔は資源が豊富な土地だったため白人に土地を奪われ、移住を余儀なくされた。今はそこに戻ってきて、伝統的な暮らしをしている。

『なぜ、大地を誰かが所有することができるというのだろう。私はその上を歩き、羊も歩いている。それは空を所有できないのと同じことだ』
と。彼らにはもともと土地を所有するという概念がない。
領海や領空というものが存在し、ひとたびそこに立ち入っただけでミサイルが発射されたりする時代に、そういう人々が存在している。彼女は日が昇ると、すべてのものに感謝を告げて、一日を始める。彼女らナホバ族のルーツは、日本人と非常に近いモンゴロイドだという。イヌイットもそうだが、彼らは動物のあらゆる部分を生活に上手に活かす。動物たちが、命を自分たちに繋げてくれているのだということを、感謝しながら生きている。

『私の宝物は、家族と生きとし生けるもの。私が羊、馬、牛の世話をし、彼らもまた私が生きていく世話をしてくれる』


人それぞれに大切なことがあると思う。今、私にとっては、この老女のような人がこの世に存在していることが、とてもありがたくて。嬉しい。
世界に残された希望だ。彼女たちから学ぶことはたくさんある。この世界も捨てたもんじゃない。
神が人類を滅ぼすとして、一握りだけを残すとしたら、こういう人を残してほしい。